基礎年金保険料の引き下げと、消費税の引き上げは、今後民主党が政権交代を実現したことで、さらに現実味を増してきました。
2009年8月末日に行われた選挙で、自由民主党の大敗が確定したのは、まだまだ記憶に新しいところです。
鳩山由紀夫率いる民主党は16日から与党として動き出します。民主党が以前から掲げていたマニフェストは、何度もマスコミによって取り上げられているので、知らないという人は少ないことでしょう。
民主党の掲げるマニフェストで、最も注目を浴びているのはやはり、子ども手当の是非でしょう。ただ、子どもがいるいないに影響されず、私たちが等しく変化を強いられるものが、今回冒頭で述べた、年金保険料の引き下げに代わる消費税の引き上げです。
自由民主党も2008年度税制改正大網で、直前まで消費税引き上げを検討していましたが、直前で断念しました。ただ、政権交代で勢いのある民主党は、このまま実行する可能性が高いかもしれません。
民主党は以前から、官僚丸投げの政治を批判しており、政治家や官僚が好き勝手税金を使えると状況を勘違いして甘えていると指摘してきました。
基礎年金保険料を消費税でまかなうべきなのか?
そこで真っ先に槍玉に挙がったのが、様々な不祥事が連続して明るみになり、破綻の危機さえ囁かれている年金制度です。民主党は年金制度を一元化し、その暁には月最低7万円の支給額を確保すると約束しています。
年金制度の破綻を防ぐため、徴収率をあげようと、今回の基礎年金保険料の引き下げが提案されているのです。現在基礎年金の国庫負担率は1/3ですが、これを1/2までに引き上げ、一人あたりの負担額を減らすと明言しています。
負担率が1/2になると、月額にして1人平均1800円、年間にすると21600円になると言います。その割合の変化のために必要な金額は総額で2.2兆と党は試算しており、そのお金は、広く、薄く、国民が皆平等に負担することのできる消費税から賄うとしています。
しかし、実は消費税があてがわれるのは、基礎年金保険料だけではありません。民主党は自由民主党と同じく、個人の所得税、さらには、企業の法人課税を軽減する方向で動いています。
基礎年金保険料の負担額を下げることも、延いては企業の負担を軽減することを目的としているのです。国際的には、日本の企業負担が決して重たくないことと、それにも関わらず被雇用者の給与や賞与が下がり続けていることを認めておきながら、さらに企業の負担を軽減するということです。
消費税云々の文言だけをみるとそれなりに説得力はありそうですが、そこには基礎年金保険料の裏に隠された大きな欺瞞がありそうです。
基礎年金保険料や消費税、さらには所得税や法人税などの負担割合が変化しても、どちらかが代わりに増えるのであれば、結局国に蔓延する閉塞感を払拭することはできません。
これから見通しが明るくなると言う変化ならわかりますが、物価が上昇し、給与や賞与が下がっている中で、消費税が上がれば、買い控えがさらに進み、日本経済自体が失速する可能性も出てきます。
基礎年金保険料の引き下げによって民主党の目指すところが正しく、消費税引き上げに反対する専門家の意見は単なる杞憂に終わるのか、これから新生与党の動向をよく窺う必要がありそうです。
