内のしと外のしの違いをご存知ですか。
昔と違い、宅配が普通になった現代では、遠方の人ともやりとりが増えたので、贈り物をする機会がよく増えました。
特に高齢化が進んで、結婚などのイベントの他に、還暦、米寿など、長寿祝いなどの機会も増えるようになっていますから、人に贈り物をしたりされたりする機会は少し前に比べ増えていることでしょう。
贈り物に欠かすことのできない「のし」ですが、もともとはアワビの肉を薄く削いで干した物を、何度も乾燥させては伸ばすことを繰り返して作っていたといいます。
アワビは長寿をもたらすので縁起が良いとされ、このように好んで使われたようです。そのため、アワビを材料に使わなくなった現在でも、魚などの生臭物が禁じられている仏事に関する贈与品に、のしは付けません。
他にも中身が同じ魚介類である場合や、お見舞いなどには、のしを付ける風習はないと言います。慶事に関わる贈り物に付けられるのしには、内のしと外のしがあります。
内のしの使い方と考え方
内のしは、包装紙で包む前の品に直接のし紙を貼り、その上から包むもので、外のしは包装紙で包んだ後で、のし紙を貼ります。のし紙には誰からどういう名目で送られてきたのか書いてありますから、外のしは一目で、誰がどのようなお祝いをしてくれたのかわかるようになります。
内のしは包装紙を開けてみないことには、それが何なのかわかりません。どちらがどのような場面で使われるべきなのかは、はっきりと決まっていないので、渡すときの状況を考えて、便宜的に選べば良いでしょう。
土地柄で言えば、関東は外のし、関西は内のしを好むと言われますが、これと言って決まっているわけではありません。例えば、たくさんのお祝いが同時に届くであろう人に贈り物をしたり、みんなの前で披露される可能性がある場合は、パッとみて誰からどのような名目で送られてきたのかわかりやすい外のしを選ぶと良いでしょう。
直に贈り物を渡すときは、のしが見える形で渡すのがマナーなので、外のしにします。逆に、宅配などで物を送る場合は、外のしにしても汚れますし、さらにその上から包むとなると過剰包装になるだけです。
伝票が外に付いているので誰から来たのかわかるので、内のしにする方が良いでしょう。そのほか、内祝いなどであれば、控えめに見える内のしの方が好まれます。
本来贈与品は、のしを添えて、風呂敷に包んで持参するものです。時代の流れの中で、風呂敷が包装紙に変わったと考えれば、内のしが本来の姿に近いのかもしれません。
宅配で送り届ける場合は、包装紙を風呂敷に見立てて内のしにし、持参する場合は、外のしにして、風呂敷か、あるいはそれに代わる袋を用意して、渡した後にさっと片付けられるようにしておくのが一番スマートかもしれません。
礼儀やマナーは考え出すと煩わしいものですが、全て、相手のことを考えて気遣いするからこそ存在するものです。相手の手に渡るときの状況を考えれば、自ずと、内のし、外のし、どちらが好ましいか判断が付くのではないでしょうか。
